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ペアリングディナー@ダイニング・ウイズ・ワイン そむりえ亭

樋口誠ソムリエのお店に初めて伺った。ワインの提案はもちろん的確で、楽しいお話が盛りだくさんのサーヴィスを受け、あっというまに「ほんとに今日が初来店だったっけ」という不思議な心地に。これがプロなのか〜という思い。確かに、現代の名工であられたよ。

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春の夢みたいな前菜、血の味の赤ワインと合う

今晩、お料理とワインの相性、そしてコースの流れの中でのそれぞれの皿/杯の存在感、どれも本当にすばらしかったけれど、一番感動したのは2皿目の「ホタルイカと豆の冷たい前菜 x ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ」。

写真にうまく撮れてないけど、うつくしい夢幻のような一皿でした

お料理よりも先にワインを注いでいただいたのだけれど、乾杯のシャンパーニュの直後にこの赤が来るという時点で意外性がある。樋口ソムリエいわく、「ワイン単体で飲むとちょっと硬いけれど、お料理と合わせると不思議とちょうどいい塩梅になる」。

実際にその変化を味わってみたくて、まずはワインだけで飲んだ。これだけでもけっこう好きですけどね、というと、でもたぶん一般の人にはこれは鉄臭いと言われると思います、とのこと。一般の人とは? でも、たしかに血の風味がかなり強いワインだ。

そして本番。お料理を一口含み、またワインを味わう。え〜っ、と声が出た。ホタルイカに特有のざらりとした内蔵の苦味が、ワインと完全に同じテンションでシンクロする。そしてこのペアリングで意外と重要なのは、豆が持っている、青みがありつつも濃厚な風味なんじゃないかなと思った。うーん、どうやってこういうペアリングを思いつくのかなあ。

おいしいだけじゃなく楽しいのがすごい

今日のディナーをひとことであらわすと「楽しかったです」と小学生並みの感想になってしまうが、ほんとうに楽しかったのだから仕方ない。お料理にも、ワインのセレクトにも、そしてふとしたお声掛けにおいても、常に楽しませてくださるお店だった。

人生かけてこれを目指したい、モスカート・ダスティのグラッパ

さいごに食後酒、一人ひとりに違うものを提案してくださって、わたしのところにやってきたのが、このモスカート・ダスティ100%のグラッパだった。実は今までグラッパってそんなに好きだと思ったことがなかったんだけど、これはもう別物で、一瞬でLOVE、ノックアウト。

暴力的なまでの芳醇さ、液体そのものの心地よい丸みとなめらかさ、そしてやってくる意外な爽やかさ。すべてが完璧で、余韻がいつまでも残り……ああ、わたしもこうやって人を打ちのめしながら幸福にできるような人間になれたらなあ。人生の目標ができました。ごちそうさまでした。

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京都在住。創造的なことすべてに興味があります。

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