clubhouseで開催されているWSET Level3の勉強会。毎週決まった範囲のなかで、1人1つずつ質問を用意しておき、ほかの人がその場で考えて答えるスタイルで進行します。
この記事では、メンバーから出た質問とその答え、ポイントなどを簡単にまとめています。現在勉強されている方、これから受験される方、WSETに関係なくワインに興味のある方など、誰かのお役に立てれば幸いです。
今回は、試験でかならず1題は出題される「酒精強化ワイン」がテーマです!
シェリー SHERRY
Q. シェリーのソレラシステムで使われる伝統的な貯蔵庫の名前を述べ、その貯蔵庫で最適な熟成環境を維持している要素を述べよ。
- 貯蔵庫の名前:ボデガス bodegas
- 適切な湿度
- 土の床を湿った状態に保つ
- 涼しい環境
- 冷涼な風(卓越風)が吹いてくる向き(西)に設けられた窓(ポニエンテ poniente)
- 厚い水漆喰の壁
- 高い天井
「シェリーの酵母が活動しやすい環境=湿度が高くて涼しい」を覚えたいところ。現在では空調設備を持つところもあります。
Q. アモンティリャードをつくる方法は?
- パロミノ種のブドウから辛口白ワインをつくる。
- そのワインを15%まで酒精強化し、
- 数ヶ月静置する(ソブレタブラ)
- ソレラシステムでの一定期間の生物学的熟成のあと、
- 再び17%まで酒精強化して、
- ソレラシステムで酸化熟成させる。
教科書のフローチャートを見ながら、全種類のシェリーについて製法を書けるようになりたいと思いました……。
ポート PORT
Q. ドウロ地域におけるブドウ畑の方式を3つ述べ、それぞれの特徴を挙げよ。
- ソカルコス
- 石で作られた支持壁がある狭い段々畑
- 1段に数列しかブドウが植えられないので機械化には向かない
- 手作業による人件費、石壁の維持コストがかかる
- パタマレ
- 支持壁がない段々畑
- 各段に機械収穫ができるような広さが確保されている
- 侵食にさらされやすい
- ヴィニャ・アォ・アルト
- 斜面に沿ってブドウの木が植えられている
- 急勾配では使われない
- 縦横に道が走っており、機械収穫が可能
- 特に侵食にさらされやすい
Q. 低価格帯のルビーポートと低価格帯のトーニーポートのつくり方の違いを述べよ。
- ルビー:酸素との接触を最小限にするために、大きな樽かステンレスタンクで短期間熟成
- トーニー:酸化を促すために小さいオーク樽で熟成させる
- 本当のトーニーポートは長期間熟成させるが、低価格帯のトーニーはそれほど長く熟成されない。色を抜いて褐色味を帯びさせるために次のようなオプションが選択される。
- 抽出度が少ないか軽めのバイショ・コルゴのワインを使う
- 白のポートをブレンドする
- ドウロ地域の暑い環境で熟成させる
- 清澄処理で脱色する
ポートワインはまず、ルビー色なのかトーニー色なのかで大別される。果実味を楽しむのがルビーで、ナッツやカラメルの味わいを楽しむのがトーニー。本来、トーニーの味わいは長期熟成を経ないと出せないものだが、低価格帯のトーニーはさまざまなオプションでトーニーらしい味わいを出しています。
ポートのカテゴリーは、「どういう楽しみ方をしたいか」で考えるとわかりやすい、とのこと!確かに〜。
ルビーポートは1〜3年で熟成、澱も引いて瓶詰めされる「早飲みワイン」。
良い年にしかつくられないヴィンテージポートは、ルビーポートのように3年目までに瓶詰めされるが、澱引きせずに瓶詰めされ、瓶内で長期間熟成させる。
レイトボトルドヴィンテージは、ヴィンテージのブドウだけど早く飲める。
クラステッドポートは、ヴィンテージじゃない(複数年のブレンドである)けれど熟成して楽しみたい人向けのポート(ヴィンテージには、2年連続してつくられないという暗黙の了解がある←2年間考える猶予があるから、どちらの年にするか比較できる)。
リザーヴやレゼルヴァは、普通のルビーやトーニーよりは良くて、ヴィンテージほど良くないものにつく。
などなど……
なんぶさんのnoteがとてもわかりやすいので、リンクを貼らせていただきます。
マスカット種の酒精強化ワイン FORTIFIED MUSCATS
Q. ラザグレン・マスカットとはどのようなワインか。品種、製造方法、スタイルについてかんたんに述べよ。
- 品種:マスカット種
- 収穫前にブドウを乾燥させて干しブドウの状態にする
- 果皮と接触した状態で発酵させる
- (極甘口に作る場合)酒精強化されることもある
- 古くて大きな樽で酸化熟成させる(マスカット種の香りを維持するため)
- 甘口〜極甘口
- フルボディ
- 高いアルコール
- カラメル、トフィー、ナッツ、レーズン
マスカット系の酒精強化ワインは、第一アロマを残すミュスカ・ドゥ・ボーム・ドゥ・ヴィニーズと、酸化熟成させるラザグレンの2つに分かれます。「酸化熟成」のKWと、そこから生じるスタイルの特徴を書くことが大切。
今日はここまで!
そろそろわたしも本格的に試験勉強はじめなければ。がんばろう。