このあいだ、メッシタ パーネ エ ヴィーノさんで久々のワイン会を楽しみました。
メインは蝦夷鹿。会場に着くとまず、生肉の甘酸っぱい香りがして、胸が高鳴る……
テーブルにあったのは、こんな肉。


本当にいい香りなんだけど、鹿にしてはあまり強烈じゃないなあ、と思った。もしかすると鹿のイメージが変わる夜になるかもしれない、という予感。
「蝦夷鹿に合うシャンパーニュってなんだと思いますか?」というクイズの果てに出てきた「シャルル・蝦夷鹿(エゾシック)」……

主催者のお兄さんが丹精込めて手作りした偽ラベルでした。本物はこれ↓

しかも中身はシャンパーニュでもなく、ペティヤンのロゼだったよね。ふつうに、おいしかった。
写真は、グラスじゃなく磁器製カップで味わってみている様子です。カップで飲んだほうが味がおいしいワインはたくさんあって、でもグラスの見た目から来るおいしさっていうのもあるので、器選びは奥が深い。

お肉が焼き上がるまでに、おいしい前菜の数々をいただく。まず愛農ナチュラルポークの生ハム。

これは数本しか存在しないレアな生ハムらしい。ほんとうにすばらしいものなので、ぜひ四条烏丸まで来て味わっていただきたい……。おいしすぎて顎のへんが痛くなります。
そして柿のナムル。パクチーとの組み合わせが絶妙。

ナムルの定義は「野菜の和え物」らしい(意外と広いですね)。
ここで、お待ちかねの蝦夷鹿が登場。まずはヒレ。

一言でいうと、やさしい。鹿肉の概念、やっぱり変わりました。味わいの輪郭線がおどろくほどやわらかくふわふわと曖昧で、ジビエのイメージとは真逆。個人的に今日は血の味を期待して来たので、少し拍子抜けしたほど。鹿ってこうなるんだ……手当てと焼き、双方の技ですね。
ゴーバルポークのベーコンと、信長ネギ。

たまねぎ、しいたけ、えびの天ぷら。

今日はパクチーがたくさん出てくる日。シェフ家で栽培されてるものらしい。
牛肉と豆の煮込み。

そしてジビーフ。

完全放牧の野生環境でのびのび育っている牛さんです。参考:https://www.omi-gyu.com/c/homeuse/gibieef

「旨」という漢字がジビーフほど似合うお肉はないな〜。
そして、来ました。蝦夷鹿のロース。

骨のキワがおいしすぎていつまでもかじっていました。

血があまりにも美しくて撮った写真。
締めはパクチーのパスタ。

ワインの写真があまり残っていないので、楽しすぎて会話に集中していたのだと思う。108品種の混醸(通称「煩悩ワイン」)とかおもしろいワインがいろいろあったのにな〜。
下の写真のアルバリーニョは、ふだんアルバリーニョ苦手なわたしも好きになるすばらしい味だった(樹齢200年以上らしい)。周りにあるあやしげなのはビオディナミにのっとった結界(?)だそうです……。

ワインを通して会う方々には本当に尊敬できる人が多いです。自分の想像の枠を超えた人生を送っている人とたくさん出会えていて、会に参加するたび、知らない世界に目をみはっている……
そんなすばらしい場とお料理を提供してくださったメッシタ パーネ エ ヴィーノの藤原さん、

ありがとうございました。また、よろしくお願いいたします。