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犬と街灯さん

豊中にある本屋さん「犬と街灯」に行ってきました。前々からお世話になっていたのだけれど、実店舗(?)にお邪魔するのは初めて。なんと店主のクリタさんが高校時代の友人の大学時代の先輩だった……ということで、友人とともに訪問です。

個人書店に特有の、ふわっとした「入店しごこち」みたいなもの、その半透明の膜を通り抜け終わったら、心地よい風に包まれて揺られるような、優しい時間が待っていました。

置かれている本はZINEが中心です。普通の本屋さんにはない言葉たちがここには溢れるほどあった。ふだん見逃してしまっているけれど確かに同じ世界に存在している人々、その生活、一つひとつの心の動き……が、宝石みたいでした。いえ、実際に宝石なんですよね。かけがえがなくて。

全面ガラス張りのファサード、の、内側にいてみれば、なんとたくさんの人々がお店の前の細道を通り過ぎていくんでしょうか。人々の足音、自転車の音がやって来ては去ってゆく。それがここにいるとなぜこんなに美しく思えるのだろう。

お店を出るときには、自分を織り上げている糸の全部がするするとしなやかになって、身体中に風が通って不思議でした。そのあと梅田に出たらなんだか、今までのことが全部夢みたいに思えました。夢から持って来た本を帰りの電車で読むと、身体のなかで言葉たちが風に舞って、くすくす笑っているようでした。

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