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SAKE DIPLOMAに合格して

日本ソムリエ協会の日本酒資格、SAKE DIPLOMAを受験し、合格した。

ワインエキスパートに続きふたつめのお酒関連資格をゲットしてまず思うのは、やはり「自分はまだ何も知らない」ということだ。

なにかを勉強し始めるというのは、自ら森に迷い込むような行為だと思う。そこには今までに見たことのないような動物や植物が暮らしている。鬱蒼としたこの森をすべて知りつくすなど無理なように思える。それでもしばらく森の中を歩き続けると、次第に、そこにある秩序に気付く。混沌としているように見えていた世界がきちんと整理され、あらゆるものの輪郭が鮮明になってくる。

勉強を始めてから受験までの日々は、このような感じだった。合格発表までの期間は、あまり日本酒を飲まなかったと思う。

そして合格発表で自分の名前を見つけたあと、久々に試験のことを考えずに日本酒を飲んだとき、2つのことに気付いた。

まず、あんなに鬱蒼とした森を歩いていたはずなのに、いつの間にか目の前が開けていること。それから、道の向こうを見わたすと、森に入るときには一切見えていなかったあまりに広大な世界がひろがっていること。

世界の真理を抱いているように思っていたあの森は、RPGでいえば「はじまりの土地」でしかなく、むしろ本当に自分が旅するべき場所はこの先にあるという感じ。ワインエキスパートに合格したときにもこの感覚があった気がする。もちろん資格のための勉強に限らない。何かを勉強していくと必ず同じような瞬間が訪れる。

これからだったのだ、という希望と絶望。あるいは、自分の存在の小ささを思い知らされることの快感、ともいえるかもしれない。身震いする。鳥肌が立つ。自分の吐く息が白いことに気付く冬の朝、もう少し神様が気温を下げれば自分なんて簡単に凍って死んでしまうのだなあ、と考えるときのように。

ただの資格試験やのに、こんなん大げさでしょうか。わたしはあまりそうは思わない、どんな勉強も命に関わるし、だから面白い、と思う。ともかくわたしの勉強はこれから始まる。一生かかっても探検しつくせないほどのフィールドが目の前に広がっている。それがとても嬉しいな。ほんの少しだけレベルを上げたわたしと一緒に、広い世界を冒険してくれる仲間を探したくなった。

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京都在住。創造的なことすべてに興味があります。

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