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『すべての、白いものたちの』
本『すべての、白いものたちの』このタイトルを初めて目にしたとき、自分が中学生の頃に「白いということ」についての作文を書いたことを思い出した。雪、白樺、ガードレール。それらが当時のわたしにとっての「白いものたち」であった。 「白い、とはどうい... -
大前粟生『回転草』
本ほんとうに羨ましい、と思った。 わたしが置いてきたもの。思春期の夜、溢れ出して止まらなかったもの。眠りを妨げたもの。無茶な恋愛を引き起こしたもの。「どうせ誰にもわからない、あなた以外には」みたいなことを思わせる、自分の肋骨の真ん中にあり続... -
君が眺めていないとき、月は存在するか?
本https://twitter.com/seramayo/status/1115969285292089345 https://twitter.com/seramayo/status/1115972222760259584 この質問をいつも投げかけてくれた彼女のことをわたしが思い出したのは何年ぶりのことだろう?今いったいどこにいるのかまったくわか... -
死んでしまっているかもしれない
本何かを書くというのは訓練のいることなんですよねえ。前のブログをやめてしばらくしたらすぐに141字以上が書けなくなったし、読むのも大変になりました。 カウンセリング受け始めたのをきっかけにnoteをやって、その後カウンセリングやめるのと同時にnote... -
千葉雅也『意味がない無意味』
本【プラハ行きの機内にて】 3月末、演奏のためにプラハに行くことになり、久しぶりの国際線に乗ったものの心の中はあまり愉しくはなかった。プラハという歴史的な街について一冊の本も読むことなくそこへ行こうとしていることへのどうしようもない罪悪感、... -
村上龍『愛と幻想のファシズム』
本夫に勧められて、貸してもらって読んだ。どうしようもない気持ちになるけれど、面白いよ、と。村上龍を読むのは何年ぶりだろう?たしかに面白い。断定口調の短文が読点で連なってゆく文体は、スピード感と重みを同時に伴い、有無を言わさぬ強さを持つ。し... -
町田康『スピンクの笑顔』
本スピンクシリーズの最終巻。このシリーズは、スタンダードプードルのスピンクによる一人称で語られる。スピンクは犬なので自分で文字を書くことはできない。そこで、主人公・ポチ(=町田康?)の脳に直接語りかけることによってこのシリーズを執筆してい...
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