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2022年の振り返り・2023年の目標

気がつけば、2022年もあと少し。今年は自分にとってどんな年だったのか、振り返ってみることにした。

今日の鴨川デルタ。昨日までの冷え込みが少し和らぎ、空も穏やか
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自宅の竣工と引っ越し

一番大きな出来事は、新しい自分の家が完成し、無事に引っ越しができたこと。土地探しを始めたのが確か2020年の初夏で、引っ越し完了が2022年春だったので、2年弱にわたるプロジェクトを完遂したことになり、感慨深かった。

ずっと帰ってきたかった京都にようやく帰ってこれてうれしい。鴨川、御所、糺の森、その他寺社仏閣、いろんなところに散歩に行けるようになった。街路樹以外の緑に、触れたいときに触れられるし、生き物のざわめきが伝わってきて、自分も動物として息がしやすくなる。個人店の多い街で、生活の手触りが細やかになるのも良いし、そのへんを歩くと何をして生きているのかよくわからない人がたくさんいて安心する。いろいろたいへんだったけど、ここに引っ越してきてよかった。

会社設立

引っ越しとほぼ同じ時期に、会社を作った。いわゆる法人成りであって、生活はフリーランス時代とそれほど変わらない。けれど、なんらかの自社事業をやってみたいなという気持ちは膨らんだ。うまくいえないけれど、「できるかもしれない」と思うことの幅が広がった感じ。

来年はその感覚を、行動に結び付けられるといいな。これはめちゃくちゃ高い目標である。計画が好きすぎて全然行動に移らないという特性が自分にはあるので……でも、今年読んだ本に出てきた次の呪文をお守りにして、がんばりたい。「跳んでみよう。そうすれば安全ネットがあらわれる」

演奏

今年はたくさん演奏機会をいただいた年でもあった。時系列順に振り返ってみる。

  • 1/16 京都新祝祭管弦楽団(Ob|モーツァルトVn協奏曲・Hr協奏曲、ベートーヴェン《英雄》)
  • 3/27 室内楽発表会(Ob|アーノルドディヴェルティメント、プーランク六重奏曲)
  • 4/3 工務店・建築事務所主催の自宅の見学会(Pf|ヴァイオリン小品の伴奏)
  • 4/9 室内楽発表会(Ob|ハイドン《ロンドントリオ》、アーノルドディヴェルティメント、トゥイレ六重奏曲)
  • 5/3 室内楽発表会(Ob|ヤナーチェク《青春》)
  • 7/3 オーケストラ・リベルタ(Ob|リムスキー=コルサコフ《見えざる街キーテジと聖女フェヴローニヤの物語》前奏曲、ストラヴィンスキー《火の鳥》)
  • 9/11 シュタール・フィルハーモニー管弦楽団(Ob|モーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》)
  • 12/11 オーケストラ・リベルタ(Ob|ミヨー《プロヴァンス組曲》、ヒンデミット《画家マティス》、ブラームス交響曲第3番)

本番8つ。書き出してみるとそれほど多くないかもな(感覚の麻痺)? でもとにかく、今年はどの曲にも楽しく向き合えたと思う。自分にとってはそれがとても大切。

そして今すでに決まっている2023年の本番を数えてみたら、もう7つぐらいあって戦慄! どうか素敵な演奏ができますように。練習がんばろう。また宣伝します。

楽器の購入

そういえば今年は2つ、新しい楽器との出会いがあった。1月には新居用のグランドピアノと、5月には2本目のオーボエと出会った。楽器はそれを通して世界とつながるものだから、新しい楽器との出会いは新しい世界との出会いでもあるかもしれない。

まだ付き合いはじめなので、完全に慣れ親しんでいるとはいえない楽器たち。ゆっくり仲良くなっていけたらいいな。ピアノはぜひ、友人たちにも弾きにきてほしい。ちいさな子犬に社会性を身に着けさせるみたいに、いろんな人を家に呼び、さまざまな演奏機会を設けたい。

「サロン」への憧れ

上で述べた「いろんな人が自宅に集まってほしい」という気持ちは、私の中にある「サロン」概念への憧れともつながっている。自分の家にサロンのような機能があったらどんなにいいだろうかと、ずっと密かに夢見てきた。

今年、自分の家という場が実際にできあがり、友人たちが頻繁に遊びにきてくれるようになったことで、その夢がにわかに膨らみを帯びてきている。自分は貴族ではなく、家の空間もそれほど広くはなく、サロンらしいサロンを持つことは難しいかもしれない。けれどもほんの一部の要素だけなら、自分の人生にも取り入れることが可能なんじゃないだろうか?

ということでまずは来年、自宅でサロンコンサート的なものを開催することにした。演奏とお食事とお酒とおしゃべりを楽しむ、ちいさなパーティー……そんなにおしゃれなものにはできないかもしれないけれど、とにかくやります。その後もゆるく継続できたらいいなあと思っている。

来年の目標

ところでサロンの本質って社交とそこから生まれる文化だと思っていて、わたしが抱いているサロンへの憧れというのは、「なんか心地よくてみんなが創造的になれるコミュニティが自分を取り巻いてくれたらいいな」という自分本意な願いの言い換えに過ぎないのだと思う。あとわたしはジャンル問わず、才能のある人が才能を発揮しているのを見るのがとても好きなので、自分の近くでそういう機会が発生してくれたら最高という気持ちも強い。

そういう環境を構築していくにあたって自分に必要なのは、いろんな創造性とか才能っぽいものをキャッチする感受性である。しかし感受性を育てるには、最近の生活は少し単調すぎるような気がしている。たぶんもっといろんな新しい場所に足を運び、いろんな人に会って、いろんな景色を見ないといけない。たとえばインターネットには創造の結果が無限に流れてくるので、ベッドの中でスマホをスクロールして満足しそうになるけれど、それだけでは絶対にだめなのだ。そして、既存の人間関係からはみ出して行動する機会もかならず持っておかないといけない。日常からこぼれ落ちるものを拾い集め、非日常をもって日常を再構築しつづけないと、心が乾ききってしまう。

この問題に対する解決策のうち一番簡単そうなのは、ひとりでいろいろなカフェとかバーに行くことだと思っている。ふらっと平日の美術館に行くのもいいな。それらは些細な行動に見えるけれど、自分の全方位が他者に向けて強制的に開かれるような場に身を置く経験であり、馬鹿にできない。ちいさな冒険。

かつての京都時代、この種の冒険を大事にしていた時期があった。思い返すと当時は、普通に暮らす中で肌に感じるものが今よりずっと多かった気がする。今の自分でもう一度、そっちの生き方を試してみたいのだ。そして来年の今頃には、今までで一番鮮やかに世界を楽しめる自分になっていたらいいな。

みなさま、2023年もどうぞよろしくお願いいたします。

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