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アフタヌーンティー@北浜レトロ

高校からの友人と数年ぶりに会った。彼女とは吹奏楽部で知り合った。わたしはオーボエで彼女はファゴット、ダブルリード仲間である。入部から卒部までほぼ毎日、音楽室の隣にある小部屋で放課後をともに過ごした彼女は、ファゴットという楽器の素晴らしさと、音楽に対する真摯な向き合い方とを教えてくれた存在で、もし彼女に出会わなければ今の自分はなかったと思う。

今日のメインは北浜レトロでのアフタヌーンティー。いっしょにアフタヌーンティーするのは初めて。高校の頃は、部活帰りにドトールに寄って勉強して、休憩によくミルクレープ食べたよね。あの頃と同じような話もするし、ぜんぜん違う話もできるようになった。

クリスマス・プディング、おいしかった。紅茶はオリジナルブレンドに(名前忘れた、レトロブレンドだったかな)。深みがあって、この季節にぴったりだった。

スコーンもサンドイッチも全部、実直で丁寧で誠実なつくりだと思った。ホテルのアフタヌーンティーも考えたけれど、北浜レトロにしたことで、お茶&お菓子よりも会話のほうを主役にできたような。

共通の友人の近況などの話になると、「みんな人生をやっていてすごいね……」という結論になるのだが、話を聞く限り彼女自身も人生をやっているし、将来を考えていて本当にすごいと思った。自分がいかにノリだけで生きているかわかる。しかしそれでも、外から見たら割とさらっと前に進んでいるように見えているっぽく、やっぱり苦しみとか葛藤みたいなほうの豊かさっていうのは、一人ひとりの内面にだけ秘められているんだろう。相手が持つそういう襞のほんの一部を垣間見ることで、人間の繊細で強くて美しい側面を知り、自分のことも少しだけ肯定できるのは、今日みたいなお茶とか、あるいはお酒の時間なのであって、それは絶対的に必要だ、と思う。

あっという間にあたりが暗くなっていた。席を立つ。店内ではまだたくさんの人々が会話を楽しんでいて、そのことが嬉しい。ジンジャーショートブレッドをお土産に買った。

中之島と御堂筋らへんのイルミネーションを眺めながら梅田まで歩く。阪急のホームまで来て、それぞれ別の路線に向かう。すぐに到着した電車に乗って最寄り駅で降りてみたら、見慣れた景色に対して自分の心と身体があまりにも芳醇さを持て余しているようで、ドラッグストアに立ち寄ってそれを薄めてから、ようやく家へと歩き出した。

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