春色のアイシングクッキー

わたしの好きな人々の今日や明日が少しでも幸せですように!
そう思ってお菓子を焼くことしかできない存在。

みんなが好きなように生きていてほしいという願いは、世界全体への強い憎しみと表裏一体のモチーフだから、ほんの少しでも風が吹いたら風見鶏みたいにくるくる回って目眩を引き起こす。

今日、使った鶏卵は半分。残りは小さな容器に入って冷蔵庫にいる。
ぐちゃぐちゃにかき混ぜられた無精卵のたった一個にも満たない鮮やかな黄色の液体に親近感を覚える。
何者にもならなくてよいことへの安堵と、何者でもないわけにはいかないことによる焦燥。
子牛に与えられることなくバターとなってしまったミルクのことを考える。
あるべきものがあるべきところに配されないことに対して責任を負わなくても良い、というあの安っぽい快楽は、こういうつやつやの薄い黄色をしているのかな?

アイシングというものは、意外なほどに楽しかった!
正直言って、世界にこんなにも自由な遊びがあるというのをわたしは知らなかった――大げさじゃなくそう感じた。
こんなに楽しいのなら、何度でも作りたい。

そして型抜きのクッキーを作ること自体が久しぶりで、懐かしい気持ちがした。
幼い頃に母と作った以来かもしれない。
生地のできるだけ端っこから型で抜いていくのは、ひとりでもわくわくする作業だった。
母と作るときは多分だけど、クッキー生地のほうにもいろんな色をつけていたような気がする。
お花とかハートの他に、動物のかたちの型もあったっけ。

今日作ったクッキーは明日まで乾かして、ラッピングして、夫と母に贈る。
喜んでもらえるといいな。

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