
誕生日。
なにもしてこなかった。これからも、なにもせず生きてゆくのだろう。ドビュッシーのピアノ曲を聴いていると、こういった事実をとても自然なものとして受け止めることができる。窓の外で花が揺れているのを見ているような感覚で、自分の存在を眺めることが可能になる。
まだ実家にいた頃、急に思い立って、ドビュッシーのCDに全財産をつぎ込んだ。今もまだ、あのときの勢いの名残で生きているような気がする。
今年は今までになく、自分の誕生日のことを忘れていた。みんなはどうしてわたしの誕生日を覚えていられるのだろう。
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