先日、日本ソムリエ協会のセミナーに参加してきました。
テーマは「ペアリング」。
井黒卓氏による解説のもとで、各参加者が実際にワインと様々な食材(主に調味料)を合わせて味わい、それぞれの相性を探るワークショップ的なセミナーでした。
ワークショップ内容

フライト1:岩塩、レモン、プチトマト、わさび
フライト2:出汁、味の素、醤油、コチュジャン
フライト3:シナモン、黒胡椒、ビターチョコ、七味唐辛子
各フライトごとに2種のワインを合わせました。
ワインの詳細はインターネットへの掲載ができないのですが、各フライトの食べ物に合いそうだなと思われるものが白赤問わず選ばれていました。
でも、実際に合わせてみると
「あれっ、意外と合わない」
「これとこれが合うの!?」
というペアが頻出して、ペアリングって本当、やってみないとわからないものなんだな〜と思いました。
今日のNo.1ペアリングは「コチュジャン×ピノ・ノワール」
いや……これはかなりびっくりでした。すごく合うんですね!
今回合わせたのはNZのピノ。複雑味があり、dustyなタンニンを豊富に含むしっかりしたワインでした。
本来、辛味と苦味はケンカしやすいはずなのですが、このペアは例外だったなあ。ばっちり合いすぎて怖いくらい。
コチュジャンの甘味 → ワインのタンニン → コチュジャンの辛味
これらが互いにまったく邪魔し合うことなく、口内でうまく移り変わってゆきました。
おそらく、このワインのタンニンの質が、コチュジャンのテクスチュアと絶妙にマッチしていたのではないかと思います。
井黒氏もおっしゃっていましたが、ペアリングでは味わいだけでなくテクスチュアもとっても大切な要素です。
だから、調理方法に工夫を凝らすことですごく可能性が広がるのだとか。
すてきな世界🌟
「わさび×シャブリ」も良かった
テイスティングしてみて初めて実感したのですが
わさびは苦味が豊かです。
この苦味が、ピリッとした辛味をしっかりと支えているんですね。
この「辛苦味」が、シャブリの豊富なミネラル感とすごく同調していました。
もうひとつ用意されていた赤ワインとは、わさびは全く合いませんでした。
テクスチュアが違うんですよね。これは樽が効いているせいです。
わさびとバターをそのままいっしょに口に入れたみたいな? そういう違和感です。
でも、あとのフライトにて
「醤油」には、白より赤が合うという結果が出ました。
お醤油はかなり複雑な味わいなので、とくに、シンプルな白だと押し負けてしまいます。
お醤油に含まれる様々な要素の中でも「塩味」と対等であろうとするとどうしてもタンニンのパワーが必要なのかな、という印象を受けました。
ということは、
お寿司をわさび醤油で食べるときに合わせやすいワインっていうのは、けっこう限られるのかな〜。
樽のあまり主張していない赤?
シャブリのようなミネラリーな白とお寿司を合わせるなら、塩で食べるほうが良さそうです。
ペアリングを楽しもう!
セミナーの締めくくり、井黒氏が主張されてたのは
とにかくペアリングは楽しむものだよ! ということでした。
「いいところを探して楽しもう」
「いろいろチャレンジしてみよう」
なぜなら、合う合わないの感覚には、かなり個人差があるからです。
そして、ちょっとした工夫で、相性◎になる組み合わせはとても多いということでした。
だから、ペアリングのポイントは「合わない組み合わせを理解すること」。
合わないもののほうが珍しいので、その原因を究明することが、ペアリング上達(?)への近道だということでした。
普段おうちで作るごはんなんかには、なんとなく「この料理はビール一択かな〜」と考えてしまうことが多いですが、思い切ってワインを合わせてみるのもいいなと思いました。
参加して本当によかったと思える、楽しいセミナーでした!