日記を書く余裕がない週だった。この土曜日に不動産屋を訪ねると決めていたので、平日の夜はそれに向けていろいろな本を買ったり読んだり、諸条件について話し合ったりしており、それ以外のことをするエネルギーがまったく残っていなかった。
結果的に良い感じの不動産屋さんに出会えたので、まあ、費やした体力は一応報われたと思う。これまで(下宿先を探すときとか)大手不動産会社の支店みたいなところしか行ったことがなかったので、今回、地元密着型のお店に行って「これってフィクションに出てくるやつやなあ」みたいな妙な感慨を覚えた。なんていうんだろう。人情味……?
土地探しってとりあえず「探してます」って言っておくことが大切で、そのあとはあまり急がなくてもいいんやなあとわかって、それやったらもう少し前から探し始めたらよかったかな、とも考えたけれど、すべてはタイミングなのでそういう考えにはあまり意味がなさそうだ。土地探しは結婚の緩いver. だよ〜って言われたけど、わたしとしてはそれよりたぶん、よそゆきの着物と出会うときに似てるんちゃうかなあって想像している。
結局その日は想像以上にたくさんの物件を紹介してもらって、そのうち気になる場所をいくつか回って見た。あとで見てみたらこの日は2万歩以上歩いてた。そんなに暑くなかったのは幸いだったけど、肉体的にかなり疲れた。途中で食べたさるやのかき氷の美味しさが身にしみた。でも、地名と雰囲気が一致してきたのと、土地の値段の付き方が少しわかってきたので、ぐるぐる歩き回ってよかったと思う。翌日、Google Mapを大きく印刷して部屋に貼った。いろいろな情報をそこに書き込んでいくことにした。
いつ決まるのかまったく想像がつかないな。予算とかもう少しちゃんと決めないとな〜って思うが……自分は20代で死ぬ予定だったのをまだ引きずっていて、長いスパンで物事を考えるというのができない、というのを実感している。でもとりあえず家の人とは「人生、借りたもん勝ちだよね」みたいな価値観を共有しているので……そんな感じで進んで行くのかな。
いやあそれにしても、感覚っていうのは侮れない。家をつくろうと考え始めてからというもの、何かにつけて、感覚で物を言うことをあまり馬鹿にしてはいけないなあと思わされる。それがどうしてかというのも、まだうまく説明できないのだけれど。