C/Sを集めるの難しすぎない?

幼い頃、母によく連れて行ってもらった喫茶店は、その時々・その人その人に合わせて様々なカップで珈琲を出してくれる場所だった。

注文したものが届くまでの間、カウンターの奥や客席と通路を仕切る棚に並ぶ色とりどりのカップを眺めては「今日はどれが好き?」と話す。
珈琲がテーブルに到着したら、「今日はわたしこんな感じか、嬉しい」「そっちも素敵だね」と、自分と相手に選ばれたそれぞれのカップ&ソーサーを愛でる。

母と過ごしたそんな時間を、わたしはとても幸せな思い出として覚えている。


そういえば母は昔から、自分がもし喫茶店を開くとしたらどんなお店にしたいか、というプランをしばしば語っていた。
お店の真ん中に大きな花瓶があって、いつもきれいな生花が生けてある店――と言っていたと思う。

母のそんな想像力をいつも尊敬していた。わたしは、現実にありそうにないことについて、何かを想像することがとても苦手なのだ。


でも今わたしは本当に喫茶店的なものを実現しようとしている……
なんとしてでも想像しなければいけなくなっているのだ。

こんな日が来るとは、夢にも思ってもみなかったなあ。


まあ、いきなりお店の空間全体を想像してみるなんてことはわたしにはできそうもない。
ということで、まずはカップ&ソーサーを集めることにした。
手元にそのものがある、という状態を得て、そこから想像を広げていこうという作戦だ。

具体的な、統一的なイメージはまだ無くとも、食器や調度品にはこだわりたいとは思う。
こだわるということはお金がかかる。だから少しずつ地道に集めてゆく。
もしお店なんてできなくても、C/Sだったら家で使うこともできる――という逃げでもあるけれど。


そう考えていたら年も開け、さあひとつ何か買おう、どれにしようかな? と物色しはじめて、割とすぐに問題にぶつかった。
それはカップの「容量」「かたち」の問題。

同じ食器ブランドのC/Sで揃えるのなら、この2つはあまり気にならないのだろう。
でも、いろいろな窯から集めようとするとそうはいかない。

どんな窯も、当たり前だけど、いろいろな大きさや形のC/Sを取り揃えている。
そこから選びだしたすべてのカップができるだけ同じ形、同じ容量であってほしいのだが、厳密に同じにするのは絶対に無理!

ワインを勉強し、グラスを使い分けるうちに「器の大切さ」が身に染みてわかった。
それぞれのカップの飲み口の厚さ・角度が違えば、香りや味にも当然影響があり、それは思ったよりも大きい。
おそらく見た目も重要で、色が違うだけで香りも味も変わるのではないだろうか。

中身の珈琲をできるだけ同じ味で飲んでもらいたいという気持ちと、いろんな食器を楽しんでほしい、という気持ち。
バランスをとるのはとても難しいことなんだな……

わたしとしては、中身の珈琲が毎回同じように美味しいことを最優先するよりもむしろ、毎回違うことの愉しみを味わってほしいなあと考えている。
まるでお味噌汁のように、少しずつ違うからいつ飲んでも美味しいという現象を大切にしたいと思う。

だから、いろいろな食器を取り揃えるというアイディアは変えないつもり。
だけど、その中で最善を尽くしたいという思いは当然ある。
美味しい豆を美味しく焙煎してもらって美味しく挽いて美味しく淹れたのに、最後の器のチョイスによって美味しくなくなってしまったら嫌だもんなあ。


今、具体的に悩んでいること――
HERENDのC/Sで飲み物が出てくるお店って素敵だと思うのだけれど、
あの波型の飲み口の形が、味にどう影響するのかが気になって手が出せないでいる。

あと、この形↑のカップで珈琲飲んでも美味しいのかどうか?

ちょっと調べてみたら、ユーロクラシクスさんが神がかった一覧ページを公開されていました(感謝)
http://euroclassics-ginza.com/herend_shape.html
これを見る限りコーヒーC/S(707)または兼用C/S(730)が良いのかなあ。


考えることが多い(T_T)

ひとつめを買うのがこんなに大変だなんて。いや、ひとつめを買ってしまえばあとは楽なのかなあ?

決して安い買い物ではないから、慎重になってしまうね。
早く、C/S沼に嵌まりたい……!

【珈琲豆レポ】〈グアテマラ〉エル・インヘルト ウーノ レセルバ

先週末に珈琲豆を買ってきて、おうちで飲んでみたよ。
年始の「やりたいことリスト」での宣言どおり、Blog記事にまとめてみます。


Detail

・商品名:〈グアテマラ〉エル・インヘルト ウーノ レセルバ
・購入店:キョーワズ珈琲 大丸梅田店
・原産国:グアテマラ
・地域:ウエウエテナンゴ地域
・畑の標高:1,180m
・農園主:アギーレ氏
・品種:ブルボン種
・製法:ウォッシュド
・焙煎:(おそらく)中煎り
・お店による説明:完熟したチェリーだけを収穫し、美しい湧き水で処理された豆が持つ深いコクと、上品でなめらかな酸味にブルボン種特有の強い甘みが加わり、 香り高いワインのような味わいが後口に広がります。是非ご賞味ください。

[引用元]
https://kyowas.co.jp/farm_guatemala_elinjerto_1
https://kyowas-kitayama-online.com/?pid=48846506


Tasting Note

▷ 珈琲の正式なテイスティング法ではなく、普通に飲むために淹れて感じたことのメモです
▷ ハンドドリップ(フィルター:KONO 名門 MDK21)
▷ 26(10+8+8)g、3杯分
▷ WEDGWOOD 「リー」型のカップ

外観
・赤みか黄みのどちらかに寄っている印象はない。輝きがある。

香り
・豆を挽く時から実際にカップで味わう香りに至るまで、青みがかった香ばしさが印象的。
・青みといっても野菜に近いわけではなくて、墨を磨るときの香りに近い。
・香りの印象は、上方に長く伸びる「シュッとした」感じ。

味わい
・アタックはまろやかで、軟水の少しぬるっとした感触を楽しめる。
・密度が少し薄い印象(お湯の量が多かったか?)
・酸味は中程度にあり、カカオ分の高いチョコレートのような爽やかな甘酸っぱさ。
・舌の上には少しだけざらっとしたコクが残る。また、余韻にもコクとわずかな苦味が残る。しかしそれらは全体のバランスを損なわず、密かにアクセントとなる程度である。
・余韻が長い。

全体の印象
・「気品のある」「上品な」「高級な」という感じ。
・要素が多い。濃いわけではなく、バランスが良い。
・和服を着た中性的な男性のイメージ。
・水墨画の中で少しだけ炭が濃い部分。
・シュッとしている。

マリアージュ
・朝食には合わなかった。珈琲のほうが要素が多く繊細で複雑なので、料理が負けてしまう。
・チョコレート(Sprüngli の Grand Cru Chocolate Trinitario)に合わせてみたが、今度はチョコレートに比べて珈琲の甘みが少なすぎて物足りない。

その他メモ
・Kalitaのドリッパーではやはり味わいの各要素が減って全体が丸みを帯びてしまい、もったいない。


この珈琲はお店の説明通り余韻が美しくて感激でしたが、何かと合わせるのがほんとうに難しいという印象。
とはいえ珈琲と何かのマリアージュは、本当に最近意識しはじめたばかり。
知識と経験を積み、いつか、この長い余韻にちゃんと噛み合う食べ物を発見したいなあ。

今後も、新たな豆を買ったら記事にします。

もしもお詳しい方がお読みになってましたら、テイスティング方法・言語表現・ノートのとり方その他なんでも、アドバイスお願いしますm(_ _)m

たとえば、甘み・酸味・苦味を5段階評価、みたいにしたほうがいいのかなあ。
評価項目、メモする項目など、少しずつ改良してゆきたい。